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那岐山は神様の名前を冠してお祀りしていた神聖な山です。
「那岐」は、表音文字で、“なぎ”と読みを表す文字です。大昔の日本には文字が無く、中国から文字が入ってきたのは4~5世紀のころではないかと言われています。そのため、この地区の周辺では、発音“なぎのやま”また“なぎのせん”を那岐山、奈義山、名木山、名義山、諾山等と当て字で表記されて現在に至っています。
日本の神話に「古事記」「日本書紀」があり、口伝の日本歴史を表音文字で記録されています。この中で、日本の国を生み、あらゆる神々を生んだもっとも重要な神として、イザナギ(男性神)とイザナミ(女性神)が登場します。夫婦神は全国で信仰され、天から降り立って国生みをされた伝承が残っています。イザナギは古事記では「伊邪那岐」と記され、日本書紀では「伊弉諾」と記されています。
当地もその一つの地域であり、大神岩は降り立たれた岩と伝えられており、神の名が彫り込んであります。古くは氏神様として山頂で奈義の神をお祀りしていました。久常、高円、成松地区の氏神である諾神社のご祭神は伊弉諾尊、天照大神、素戔嗚尊です。奈義の神すなわち那岐山の神はイザナギノミコトの意味です。
諾神社の社伝によれば、「那岐山の山頂、神尾峰に座していた那岐大明神であり、後世に南麓の不老の森に降ろされて諾神社と呼ぶようになった」と言われています。その後大正8年に現在の成松の地に遷座されています。
ちなみにイザナミノミコト(伊弉冉尊)は、自衛隊演習場内ある宮内地区の不老の森の宮内神社(旧名 冉神社)に祀られています。